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SEIKAI no nai sekai

セィカイのないセカイ

世の中の大半はきっと思い込みでできていて

 

たまたまその場にいた人たちが

多数決できめたにすぎない良悪 優劣なんて

あるようでないものなのに

​

これができたら◎で

これができなかったら×ね

​

と、

​

人が作った物差しで他人や自分を

ジャッジしながら過ごしてきました

 

でも、これがセイカイと思って信じて疑わなかったことが

アッサリ覆されたとき

 

 

そもそもセイカイなんてものが

最初からなかったことに気がつきました

共用ワークスペース

自由とは時に残酷です

​

本当のところ、じぶんがどうしたいのか?

なにがすきなのか?

 

どんな場所に住み、だれといたいのか?

比較対象なしの選択は時にとても困難で

​

​

ほんとうのところ

ほんとうのところ

ほんとうのところ

 

 

考えれば考えるほど

 

それが

自分の考えなのか

世間の考えなのか

 

あるいは

​

世間からこう見られたい自分の考えなのか

​

わからなくなるのです

 

 

 

最初に、本当にやりたいことってなんだろう?

と考えたのは21歳のときでした

 

良い大人に恵まれ毎日笑い

そこに自分の居場所を感じ

感謝と共に過ごせていました

 

でも、

 

5年後10年後

自分がどこにいるのかがまったく想像できなくて

毎日不安で仕方がなかったことを覚えています

 

仕事が楽しくなればなるほど

不安や恐怖心は大きくなって

 

頭の中で「そっちじゃないよ!!」

と警報がガンガン鳴り響いているのがわかりました。

 

目に見えているものはちゃんと色がついているはずのに

どこもかしこも灰色にみえたのがこの頃です

水彩画のパレット

「お金も時間も無限にあったらなにがしたい?」

あるときそんな質問を投げかけられました

​

「絵が描きたいです」

 

ぽろっと出た一言に、周りの人は

「へぇ〜」と言い

​

何を隠そう、一番驚いたのはわたし自身で

心の中で「へぇ〜」と呟きました

 

 

かといって、

絵を描く決断をするのは容易ではありませんでした

 

 

技術も知識もコネもありません

絵で生計を立てる?

いやいや…ナイナイ

​

想像もできませんでした

​

 

​

描いてどうする?

何の役に立つ?

誰が喜ぶ?

​

​

 

でも、

 

理由はわからないけど

 

趣味でこっそり楽しむためだけに

描く気にもなれませんでした

 

 

気づいてしまった以上

描かないという選択もできなくて

 

ぽつりぽつり描き始め

 

えいやで跳びこんだ絵画教室で

スケッチブッチに向かって

鉛筆を握り締めたとき

​

先生からの指示を待てずに

​勝手に手が動き出した時

​

ちょっと涙が出ました

 

本当はめちゃくちゃ

描くことに飢えてたことに気がついたのです

月の雲

わたしはあまり、人の作品をみるのが好きではありません

当時はいまよりもっと嫌で

 

 

壁にかけられた(あるいは床や空間に配置された)

「作品」に圧倒されて

自分には無理だと

とても勝てっこないと絶望していました

​

​

20代なんて

まじでなんだってできるのに

​(何歳だってなんだってできる!)

​

決める勇気がありませんでした

努力する勇気もありませんでした

​

​

​

​

試しに絵から逃げてみたことがあります

​

持ってる画材の一式はまとめて部屋の隅に追いやって

美術館、ギャラリーなんてもってのほか

本屋のそういうコーナーにも足を踏み入れませんでした

 

 

近づこうとすると鳥肌が立ち

吐き気がしました

 

 

でも、不思議なことに

逃げても逃げても

 

いつの間にか描きたくなって

いつの間にか描いているんです

 

 

描きたい気持ちとおなじくらい描きたくない

でも、描かないでいれば

 

自分の中の何か大切なものが消えてしまう気がして

絵具を出したり直したりを繰り返していました

 

それは まるで

 

幼い頃に見た

逃げても逃げても追いかけてくる月のようで

 

 

見ないように、

意識しないようにすればするほど

存在が大きくなっていきました

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半分諦めたように、いま、私はまた絵を描いています

 

初めての個展は、今ではすっかり有名になってしまった

大阪のギャラリーをお借りしました

​

なんだか同窓会のようになってしまって

アーティストとしては、けしてほめられた個展ではなかったですが

​

自分の描いた絵を沢山の方にみていただく

という貴重な体験をさせていただきました

​

「もっと描いたらいいやん」

「まだ、描き慣れてへんのやろ」

​

ケラケラ笑う友人の言葉はとても優しく

描くことを、許された気がしました

 

​

​

描いた絵を人にみせるのはすごく怖いです

優劣じゃない、好き嫌いだからとわかっちゃいても

たいしたことないなと思われるのが怖いんです

​

人と比べることの無意味さを知ってもなお

​

やっぱりすごい人のはすごくて

 

自分のなんてハナクソみたいに感じて

全部剥がして捨てたくなるし

すべてなかったことにしたくなります

​

​

でも

 

絵は、見せれば見せるだけ、上手くなるんです

たぶん

​

人に見せるという意識が、

実力を引き揚げてくれていると思います

​

1枚描くごとに、上手くなっていっているとおもいます

1枚描くごとに人には見せられんなと思う作品が増えてます

​

絵とどう付き合うか?

私の中の答えは見つかっていません

​

それもありかなと思ってます

答えがわかったらスッキリするのかもしれないけど

​

答えがなくても、

私は描くことを諦めないことだけ決めました

​

​

今回の個展はセィカイのないセカイ

 

「正解のない世界」

 

というタイトルです

​

 

​どれも、描くのがたのしくって仕方なかった作品たちです!!

​

どうか、自由に楽しんでいただければ幸いです

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